🧑🏫 はじめに
この座談会に参加している3人の講師は、全員「暁星」出身で、かつて飯田橋ゼミナールの生徒でもありました。
苦手な教科と向き合いながら、仲間と支え合い、大学受験まで走り抜けた彼ら。今では、それぞれが得意科目を活かし、後輩たちを指導する立場になっています。
この回では、3人の自己紹介から始まり、中高でどのように学び、大学受験にどのように取り組んだかまでを語ってもらいました。
“順風満帆”とは言えない、それぞれの等身大の受験ストーリーにご注目ください。
🧑 自己紹介|3人の経歴と得意・不得意
Aさん(文系・中学編入組)
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中学1年2学期から暁星へ編入
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部活は室内楽研究部、帰国子女なので英語は得意だった
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飯田橋ゼミナールでは数学を中心に受講
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暁星生を中心に英語を指導
「あまり勉強が好きではなくて、数学0点を取っても平気だった。飯田橋ゼミナールに入ってから勉強するようになりました」
Bさん(文転・幼稚園からの内部進学組)
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幼稚園から高校までずっと暁星
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音楽部でドラムを担当し、部活動に熱中
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5年(高2)で理系から文系に変更
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飯田橋ゼミナールでは数学を中心に受講。現在は古文・世界史などを担当
「苦手な英語が一瞬だけ、中クラに上がりました。そのとき、飯田橋ゼミナールで文法をやったから上がった、と思いました」
Cさん(理系・幼稚園からの内部進学組)
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同じく幼稚園から暁星で、音楽部ではトランペットを担当
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数学・英語・理科をバランスよく飯田橋ゼミナールで受講
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成績は中3からぐんと伸びて、現在は理系科目を中心に指導
「最初はクラスで下から2番目とかでした。でも飯田橋ゼミナールで勉強の方法を知って、成績上位者になりました」
📚 暁星中高の学習面
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「英語・数学」が成績順で上・中・下クラスに分かれる
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5年(高2)で文系クラスと理系クラスに分かれる。6:4 くらいで文系より理系のほうが多く、その多い理系の中でも特に医学部志望が多い
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6年(高3)は文系3クラス、理系2クラスに分かれる
A:「文系としては『医学部勢、すごいな』って、ずっと思っていました」
B:「文系でも数学を使う文4だったけど、文5(文系5教科)のほうが手厚かった印象」
C:「理系には、めっちゃ真面目な先生がいて、進路相談を熱心にやってくれました」
🎯 大学受験|3人の進路と受験スタイル
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Aは国公立を考え共通テストを全科目受けたが、最終的に私大文系へ
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Bは文転後、現役時の共通テストでさらに方針転換。一浪を経て私大文系へ
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Cは5年(高2)夏に医学部から進路を変更、物理選択へ切り替えて、私大工学系へ
勉強の始め方・後悔も…
A:「数学がめちゃめちゃ苦手だったので、結局大学受験で使わなかった。ちょっと残念」
B:「5年(高2)10月と早い時期に文転したのに、本気になったのは6年(高3)夏前…めっちゃ遅い」
C:「漠然と医学部を受験する予定だったけど、5年(高2)で工学系にシフトして、やっとやる気になった」
💬 今振り返って思うこと
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暁星の校風として、ゆるくて“放任気味”、生徒の自主性が求められる
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3人とも「もっと早く大学受験を意識しておけば」と口をそろえる
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学校の授業で大学の過去問をゴリゴリ解かせてくれるかどうかは、先生次第
A:「暁星生全体として、受験勉強をやり始めるのが遅い。『まあ、一浪くらいならいいかな』くらいに思っている」
B:「勉強している雰囲気は、理系クラスのほうが強かったね」
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🗒️ 書き起こし|Episode 1
● 自己紹介
A:僕は暁星を2020年度に卒業しました。部活は室内楽研究部でピアノを弾いていまして、暁星には中学1年2学期から編入しました。
飯田橋ゼミナールでは苦手だった数学を中心に受講していました。海外に住んでいたことがあり、その経験を生かして今は暁星生を中心に英語を受け持っています。
B:僕も20年度に卒業しました。部活は音楽部でドラムを叩いていました。暁星は幼稚園から上がってきたので、高校まで受験をしていません。
飯田橋ゼミナールでは、数学が特に苦手だったので、数学を受講つつ、国語を少し受講していました。 今は受験でよく勉強していた世界史や、得意だった古⽂や、⼩学⽣の国語算数を中⼼に教えています。
C:⾃分も20年度に卒業して、Bと同じ⾳楽部に所属して、トランペットを吹いていました。 同じく暁星には幼稚園からいました。
飯田橋ゼミナールでは、数学と英語、理科を主に受講していました。今は理系大学に進んだので、数学や理科をメインに教えています。
● 中高の学習面について
A:次に、暁星時代の⾃分はどんな⽣徒だったか、というのを⾃分なりに振り返ってみてほしいんですけど、Cは割と真⾯⽬で、この3人の中では⼀番成績が良かったよね。
C:まあ、そうだね。中学校に進学したてのときは全然できなかったんだけど、勉強の⽅法を知ってから成績が上がっていった。
飯田橋ゼミナールの授業などで、こういうふうに勉強すればいいんだよ、というのがわかってきて、席次(*クラス内順位 1クラス約40人なので20番以上が成績上位者となる)で言うと、中1のころはクラスの下から2番⽬のときもあったけど、中3くらいからは、クラスで20番以内には⼊っていた。
A:Cはずっと成績が良かったイメージがあるけど、苦労していたんだ。
一方、Bと僕はあまり良くなかったね。
B:勉強⾃体があまり好きではなかった。
A:僕もあまり好きではなくて、中学に編入したてのころは40番台。数学0点取っても平気だった。
飯田橋ゼミナールに⼊ってから、少しマシになって20番台。⾼校に⼊ってから、もう少し席次は上がったけど。
Bも同じような感じだった?
B:僕は、英語がずっと下クラス(*英語、数学はそれぞれの成績順に上・中・下クラスに分かれる。以下、「上クラ」などと略す)だったんだけど、飯田橋ゼミナールに⼊って何年かして⼀瞬だけ、中クラに上がった。そのとき、「ああ、飯田橋ゼミナールで⽂法をやったから上がったのかな」と思った。
● 大学受験について
A:僕たちは、⾼2の終わりにコロナ禍がはじまり、変則的な学年ではあったんですけど、受験勉強、どんな感じでやっていましたか?
2⼈ともけっこう独特な受験勉強していた気がするけど。
C:⾃分は⾼1のときは、英語が苦⼿だったので⽂法に力を入れていて、受験勉強としてやり始めたのは、⾼2の夏くらい。
A:ちょっと遅めでは?
C:その時点で進路を変えたから。ずっと特にやりたいこともなく、家庭環境から漠然と医学部を受験する予定だったけど、⾼2のとき⼯学系にシフトしました。そのため、途中で理科の選択科⽬が⽣物から物理に変わり、受験勉強のスタートが遅れた。
A:たしかに選択科⽬は、学校の授業だけだと選び方がよくわからない。
Bはどうですか、受験の思い出。
B:僕は文転(*理系から文系に変わること)をしたんだ。
A:高2で文系クラスと理系クラスに分かれるんだよね。
B:⾼2の10⽉という、かなり早い時期に文転をした。ちょうど⽂化祭の時期で、自分でも何を思って文転したのか分からないんだけど。
そこから、ぼちぼち世界史をやりはじめ、本格的に受験勉強をはじめたのは、⾼3の夏前くらい。
A:⾮常に遅い。
B:遅いですね。 やっと尻に火がついたという感じだった。英語が苦⼿だったので、もうとにかく単語をやっていた。
A:単語帳と、世界史⼀問⼀答をひたすら?
C:それしかやってなかった。
A:僕は2⼈に⽐べたら、普通の受験勉強だった気がするんだけど、数学がめちゃめちゃ苦⼿だったので、飯田橋ゼミナールで受講していた……と言いつつも、結局数学は⼤学受験で使わなかったな。
国公⽴を⽬指す後輩は、マジで早めに受験勉強をはじめるといいよ、と伝えたいです。
共通テストは、全科⽬受けはしたけど……。
B:Aは文5(*文系5科目型受験のこと。国英社の3科目に加えて理数も学ぶ)だっけ?
A:そうそう。⽂系5科⽬は全部受けた。
B、Cはどうでした?
B:現役のときは共通テストを受けた。
A:Bは一浪したんだよね。
B:そう。現役のときは、早稲⽥の政経を受けようとして、政経は数学ⅠAだけ受ければよかったので、数学ⅠAだけ勉強したんだけど、驚くほど点数が伸びなくて……。 結局、共通テスト本番はⅠAを受けずに、⽂系科目だけ受けて志望校を変えた。
A:学校の授業としては、文4(*文系3科目に加えて数学も使う受験方式。ほとんどは3科目か5科目で受験するので、4科目での受験は珍しい)?
B:そうだね、英国社と数でした。
A:Cは理3(*数理英の理系3科目受験、東大の理科3類ではない)?
C:そう。私⽴専願で理系3科⽬。
A:Cは割と真⾯⽬だったイメージだけど、僕とBは不真⾯⽬だった。
C:僕も真⾯⽬ではないんだけどね。
A:暁星生全体として、受験勉強をやり始めるのが遅い。「まあ、一浪くらいならいいかな」くらいに思っている。
B:そういうところは良くないね。
A:だから後輩には「早く始めろ、⾼2くらいからやれよ」と⾔う。
B:「ちゃんとやれよ」と言いたいね。
● 振り返ってみて思うこと
A:続いて、暁星について思うことがあれば。
全体の雰囲気は、ゆるいよね。うちの学年は特に穏やかな学年だったような気がしているけど、成績も、割と良かったほうなのでは?
B:そうだね。
A:ただ、先⽣⽅はマジで放任だった。いまだに覚えているのが、⽂系理系を分けるときに、担任の先⽣に志望校を出した後、高3まで、1度も進路相談の機会がなかった。 俺、卒業式のときは進路が決まっていなかったんだけど、担任の先⽣に全部落ちたと思われていたくらい、把握されてなかった。
ゆるかったな。
B:あの先⽣なら、ありえる。
A:そうだね。でも、理系はちゃんとしているイメージ。
B:理系はそうね、めっちゃ真⾯⽬な先⽣がいて、進路相談を熱心にやってくれた。
A:Bは⽂転という⾮常に珍しい経験をしたけど……。
B:その経験から言うと、⽂系で数学を使うのであれば⽂4より文5のほうがいいと思う。⽂5のほうが、圧倒的に先生方が⼿厚かった。そもそも文4で受験する人は、あまりいないし。
A:⽂4って珍しい受験のタイプだからかな。⽂5のどの科⽬が良かった、とかある? どの科⽬の先⽣とか。
B:⽂系の理科の先⽣だから、化学が良かった。
あとは、数学の上クラの授業は、すごく熱がこもっている、と聞いたことがある。
A:たしかに⼒が⼊ってたような気がする。
C:まあ、そうだね。
A:⽂系の地理も、熱が⼊っている先⽣がいた。
学校の授業で受験対策をゴリゴリとやるかどうかは、先⽣によって変わる。定期テストがめちゃめちゃゆるくて「⾃分で勉強しないと何も身につかないよ」というタイプの先生もいれば、学校の授業中に⼤学の過去問を解かしてくれる先⽣もいた。
C:理系の数学の中クラは、がっつりだった。
A:過去問を解いたり?
C:うん、過去問の印刷されたプリントがあった。
A:僕も英語の授業では、ひたすら過去問をやっていた記憶がある。ありがたかった。
あと暁星って、⽂系理系だと理系のほうがちょっと多い、6:4くらいで理系のほうが多いのかな?
C:そうだね。
A:しかも、その多い理系の中でも特に医学部志望が多い、という割と珍しい学校かなと思います。
⽂系としては「医学部勢すごいな」って、ずっと思っていましたね。文系は肩⾝が狭かった。
B:1クラスまるまる医学部志望、みたいな感じでまとめられていた。
だからどうということはないんだけど、勉強している雰囲気は、理系クラスのほうが強かったね。