こんにちは、飯田橋ゼミナールです。
朝や夜は涼しくなり、一気に秋めいてまいりました。急激な気温の変化で体調を崩しやすい季節でもありますので、体調に気を付けつつ日々を過ごしていただければと思います。
お話しが変わりますが、先日23日に今年も富士山で初冠雪が観測されました。今年は平年より21日遅く、過去4番目に遅く観測されました。最も遅い観測は、昨年2024年で、1894年の観測開始から、最も遅く初めて11月に観測されました。
ここで、一つ考えてみましょう。
昨年は11月7日に初雪を観測しましたが、標高3776mもある富士山で、本当に11月まで雪は降らなかったのでしょうか?
もしかしたらもっと前に降っていた可能性があると感じた方もいらっしゃると思います。その通りだと思います。では、何故11月7日に初冠雪と定められたのでしょうか。それは、富士山がどのように初雪を観測したかという決め方に答えがあります。
富士山が山梨県と静岡県にまたがる山であることはご存知かと思いますが、実は、富士山の初冠雪は山梨県側の甲府地方気象台から職員が目視で山肌の積雪を確認して発表しています。つまり、静岡県側からやその他の麓の自治体から富士山の雪を観測出来ても、甲府地方気象台で望観されない場合は初冠雪とはならないのです。そのため11月7日よりも前に、実際には富士山で降雪があった可能性があるということです。
では何故そのような取り決めがあるのかを考えてみましょう。
1箇所からの観測で統一している理由は、例年の傾向を掴むためです。毎年バラバラの場所から観測したデータの場合、例年の冠雪の傾向を掴むことが難しくなります。例えば前述の『昨年2024年は1894年の観測開始から、最も遅く初めて11月に観測されました』という内容も同じ条件で観測し続けたから出来る比較となります。
甲府地方気象台が選ばれた理由は、一説によると地理的条件と気象条件との兼ね合いとされています。甲府は盆地のため約40km先から富士山を観測できます。また、富士山の南側にある静岡県に比べて、北側に位置している山梨県側では雲が少なく、富士山の山頂まではっきりと見える機会が多いため静岡県側ではなく山梨県側での観測とされました。
このように同じ条件で毎年観測・記録を行う、いわゆる長期観測を気象庁が実施しているものは他にもあります。例えば気温や降水量などの気候以外にも、ソメイヨシノの開花やイチョウの黄葉などといった生物季節観測も行っています。ニュースなどでも『例年より』という言い回しは毎年の観測があるからこその比較となります。
毎年の観測と聞くと大掛かりな印象を受けますが、身近なものも勿論あります。例えば身体測定も毎年の自分の変化の観測であり、より短期間の観測の例だと長期休みで行う植物の観察日記などもあります。
ただ、理科の宿題と認識して取り組むのではなく、どういった変化があるのだろうか、毎日の記録からどんなことが言えるのだろうか、といったことを考えたり、周りの変化を探して過ごしてみると、今まで見えなかったことにも気付けるかもしれません。
今回は『富士山の初冠雪が昨年は11月と最も遅い観測であった』というところから、色々と考えてみました。そういった『本当かな?』『どうしてかな?』という視点を持って考えるためには知識が必要です。思わぬところで繋がる知識もあります。是非色んな興味を持って勉強に取り組んでいっていただければと思います。